▼2004年4月30日放送「八十八夜を迎える、新茶」

八十八夜とは、立春(今年は2月4日)から数えて八十八日目を指して言います。今年は5月1日。
夏を前に、この日にお茶を飲むと長生きするといわれています。
実際にこの時期は一番茶を摘む最盛期で、冬の間に養分を蓄えたお茶の葉に栄養がたっぷりと含まれているのです。
最近の流行は通常の煎茶よりも長い時間茶葉を蒸して作る「深蒸し煎茶」。
(倍以上の時間をかけます)
そのため茶葉の繊維が細かく、もろくなっているため、お湯を注ぐと、すぐ色と旨みが出ます。煎茶の色が黄色っぽいのに比べ、深蒸し煎茶はとろっとした緑色。昔は茶道などで使われていましたが、最近では一般家庭でも人気があり、流通の中心になっています。
中でも静岡県の中部「牧の原台地」水はけがよく日照時間も長いので、深蒸し茶に最適の葉肉が厚い茶葉ができます。
新茶の魅力はなんといってもその柔らかな香り。美味しく飲むこつは、いったん沸騰させてカルキほ抜いたお湯を70度Cくらいまで冷まして飲むこと。あまり熱いお湯だと、せっかくの香りが飛んでしまうからです。
翠香園のおすすめは、茶葉を蒸して乾燥させた後、火入れ(180度Cで30分ほど)をせずにそのまま袋詰めした荒茶。茶葉の香りが更にたつ、とっておきのお茶です。ただ、日持ちがしないのであまり流通していません。希少価値のあるお茶です。



【問い合わせ先】 翠香園(お茶各種) 052-586-2306